ここではコレクションページにご紹介した中でも通常とは異なる背景を辿ってきた品物をピックアップしていきます。当然ですが全てが同じではありません。普段着と晴れ着が異なるし、皇室の方々が手にするものと一般人が手にするものは世界が違ってきます。格差が良いとは思いませんが、その格差が元となり生み出された美というものがあります。そこを理解し品物を見ていくことが重要となります。


dZi Beads

6アイと呼ばれる眼が6つあるジービーズ(6eyed dZi Beads)。殆どが2アイという中で、6アイは特別な存在であったことは間違いありません。作ろうと思えば増産できたでしょうが、敢えて数を調整することによってそのもの自体高貴なものにした訳です。高貴な方の為に。

6アイの中でも数が少ないサイドリングを有するジービーズ(6eyed dZi Beads)。サイドリングがあることによって2回りほど大きくなります。ジービーズは4cmを超えるとぐっと数が少なくなります。この配色も最も評価の高いものとされており、それ相応の身分の方を対象とした品物であったと考えるのが妥当ではないでしょうか。

理由は分かっていませんが、何故か6アイより数が少ない4アイ ジービーズ(4eyed dZi Beads)。これだけ大きなビーズであれば、6を描くことも9を描く事も可能だったはずですが、敢えて4にしたのには何か理由があったはずです。真相は如何に…。

背面にブッダアイと呼ばれる眼を有する特大サイズの3アイ ジービーズ(3eyed dZi Beads)。異例中の異例な景色を有するジービーズ。当然資料にも載っていませんし、資料に載せようとも思いません。チベット人もそういった特別なジーは写真を取らせない。それだけ特別な存在のジーは果たしてどんな方を対象としたのか…。


Tibetan Turquoise

穴の開け方から、明らかに通常使用とは異なる背景を辿ったであろう特大サイズのチベタンターコイズ(Tibetan Turquoise)。パチュと呼ばれる頭部装飾としてなのか。それとも馬具などの装飾として使われて来たものなのか。

正方形に形成された特大サイズのチベタンターコイズ(Tibetan Turquoise)。祭礼用の装飾品として生きて来たことによって奇跡的にほぼ無傷の状態で残った逸品。

スカイブルーの特大サイズのチベタンターコイズ(Tibetan Turquoise)。この色が特権階級に特に好まれ、様々な特権階級の装飾品や仏像に使われて来ました。故になかなか庶民まで行き渡ることはなく、特別な方の装飾品として生きてきた来たことを想像させてくれます。


Costume

黒モン族の祭礼用衣装。テカテカしている部分は◯◯◯を混ぜた染料でテカリを出します。

リス族の祭礼用衣装。自身の豊かさを最大限にアピールする目立ってなんぼの場が祭礼になります。完璧とまでは言えないものの今となっては非常に貴重な逸品。

ヤオ族の婚礼用ヘッドドレス。見事な刺繍にビーズをあしらい人生一度の晴れ舞台を着飾る訳です。現代のように2度も3度も経験するものではありませんからね…。

チベットの僧侶が実際に使用していたローブ。どんな僧侶のモノかまでは分かりませんが、一般人のものではないのは確かです。格式高い感じがしますね。


Other Items

実際に使用されてきた儀礼用マスク。鼻の部分がすり減っていますが、触った跡でしょうか。チベット密教の世界で生きてきた独特の世界観。三眼の忿怒相で、五つの髑髏は人間の五罪(貧欲、妬み、愚かさ、幼稚さ、欲情)に対する克服の象徴と言われています。九つの忿怒相が一体となる逸品。