ジーについて知れば知るほど天珠とは呼ばなくなりました。天珠という呼び名に嫌悪感を示すチベット人も多い様です。現地の人達がジーって呼んでいるのなら、そこは尊重してジーって呼べばいいよね。中国とチベットとの微妙な関係性を考えれば当然そうすべきだし、わざわざ漢字に置き換える必要はないですよね。
世の中(日本)のジービーズと呼ばれるものは概ね下記の5つかと思います。
- 古代よりチベット系民族により代々受け継がれてきたもの。
- 出土品。古代に特権階級の為に作られ埋葬されたものなど。
- 100年程度経過したガラス・セラミック製のコピー。
- 1940年頃コピーとして制作され、50年程度チベットの人々が身につけてきたもの。
- 近年に台湾や中国などで作られたコピー。
個人的に1以外は本物のジーと呼びたくはありません。1と2は制作場所や時代は同じでも歩んできた歴史が異なります。2は考古学の資料やアンティークビーズとしての価値はあっても、チベタンが代々受け継いできたジーにはなれません。残念ながらここが混同してしまう人が非常に多い。
区別されると都合が悪くなっちゃう人達がいるんですね。そういった人達が出土品を伝世品だと偽ってマーケットに流していきます。かなり前から伝世品と出土品がごちゃまぜにされ、区別がつきにくくされていました。こうなるともう素人にはお手上げです。
3以下は1・2とは明確に区別されますが、この3や4に新たな価値を見出し商売にしている方々がいます。これらは今尚、チベタンによって本物のジーだと信じ大切に身につけられています。それを古代のジーと比べると歴史としては浅いけれど、チベタンが身に付けてきたものだから〜ってやるわけです。ビンテージとか何とか言いながら販売されているのがそれです。値段は大きく差がありますが、そもそも安くしてるから良いって問題でもありません。5は古代のジーに似せようと作られたコピー。最近では古代と同じ製法だから〜とか何とか言いながら売られています。そもそも古代のジーと同じ製法だとご利益があるとでも思っているんでしょうか…。寺院で開眼してもらった〜とか、お坊さんが身に付けていた〜など、あらゆる手法を駆使しながら付加価値を付けていきます。スピリチュアルな要素があった方が御守りとしては良いってのは分からなくもないですが…。
※模様を焼き付ける行為自体に意味があったという考えもあります。
2〜5にもチベット人が関わっているようで、より複雑になっちゃってます。
数年前、中国の成都のチベット人街に行った際、コピーが販売されているのを見てきました。説明書きにはちゃんと『台湾天珠』と書かれ、コピーとして販売されていたのが印象的で、日本よりある意味ちゃんとしてるじゃない…ってショックでした。日本の販売店さん全てに悪意があるわけでもないようですが、よくよく調べもせず、言われるがまま販売している事自体問題でしょう。自分自身で整理をして、感情に流されず、数学の公式に当てはめて淡々と答えを導き出す様なそんな冷静さが必要になります。