何もかもが手作業による品々。今で言う非効率な手作業の中に、現代人が忘れてしまった『心』のこもった品物が存在します。誰かを想い、気の遠くなるような時間と手間を掛け作り上げるその品物には、お金では買うことの出来ない温もりと美しさを感じる事が出来ます。最近は効率化ばかりが良しとされ、コスパ・タイパなんて事を追及しています。効率が良いにこしたことはないですが、心も同時に失ってはダメでしょう。非効率の中に大切な何かが込められているとすれば、今の世の流れはまずいかもしれません。そういったことに気付かせてくれるのが、少数民族の手仕事の品物な気がします。
トン族のベビーキャリー。
少数民族が暮らす地域は、つい最近まで医療も発達しておらず、子供が成人になれる確率はかなり低い状況でした。子供に対する想いは格別なものだった事は安易に想像できます。刺繍やろうけつ染めを用い、生まれてくる子供の成長を願いながら作るその品物には、大量生産した品やあえて少量しか作らない事で希少性を演出しているブランド品には無い『想い』が込められています。